白銀の女神 紅の王
「おそらく力の使い過ぎによる疲労ですね…」
一通り診断を終えた医師が言う。
「力の使い過ぎ?」
「はい、そうです」
訝しげな声に医師が固い表情で頷く。
「けれど、エレナさんは賭博場でも日常的に力を使っていたんですよ?」
すかさずウィルが医師に反論する。
「力を使うと言っても、それは所詮お遊び程度のことだったのではないでしょうか。しかも、聞けばエレナ様は賭博場ではベールをかぶっていたとか」
「何が言いたい」
ハッキリとは言わない医師に、苛々したように言う。
医師は言いづらそうにしながらも、おずおずと口を開く。
「恐らく今回は精神的ダメージも大きかったのではないかと思います。賭博場にいた頃とは違い、エレナ様は素顔を晒して、しかも陛下の妾として皆の前に立たれましたから」
つまりは俺のせいだと言いたいのだろう。
「そういった精神的ダメージもありつつ、その力を最大限に発揮した。しかも、宴に来ていた全ての客の心を読んだのが、こう言う事態を招いてしまったのでしょう」