誘拐犯は私の彼氏!?
「………うん……。」
たったそれだけの返事が精一杯になるほど、さっきの言葉にはびっくりした。
「「黒谷さーん」」
カウンターの方から声がして、男が顔をあげる。
黒谷…?
そう言えば、名前すら知らない。
反応したってことは、こいつの名前?
「黒谷真幸ね。」
「へっ!?」
そう考えた瞬間、横で名前を呟かれた。
驚いて顔をあげると、ケータイをいじりながら目の前に立っている。
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