誘拐犯は私の彼氏!?



疑うような刺すような視線を送っていると、目がだんだん泳いできた。


キョロキョロと私の顔を見ないで、なんとか目のやり場を探してる。


しばらく見つめていると、観念したようにこっちを見て、


「…………。


かわいいとこもあるんだなって、思ったんだよ。」


と、顔を少し赤くして、パッと手を離してうつむいた。


予想外の反応に戸惑う。


だって、急にそんな…。


動揺が隠せない私。


「風邪ひいてるなら、座っとけ。」


ちらっと横目でこっちを見て、彼はそう呟いた。



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