誘拐犯は私の彼氏!?



僕の作品も出展してるけど、次期当主ってだけでど真ん中の派手な位置に置かれてて。


見に行く気すら、しない。


あんなところに置かれても、ただ威張ってるだけみたいじゃないか。


あの大人と一緒にされたくない。


僕は、そこからただじっと動かないことにした。










「……おいっ、君が永海家の次期当主かい?」


下を向いて、時間が過ぎるのをじっと待っていた僕に、低くて聞き覚えのない声が落ちてくる。


気がついたら、目の前に知らない男の人が立っていた。


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