誘拐犯は私の彼氏!?



重苦しい空気を破って、告げられたその言葉は。


光沙の生気と、俺の理性を簡単に奪った。



―――ガサッ


「てめぇ!」


理性のなくなった俺は、ボンボンに掴みかかった。


頭では、まだその言葉の意味が理解できてない。


でも、こいつは自分が殺したと言った。


ただあの言葉が、俺の頭を支配して。


俺が自分を取り戻したのは、光沙の叫びを聞いてからだった。




「真幸っ。やめてっ!」


「……光…沙?」


なんで?


こいつが、光沙の親を奪ったんだろ?


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