塾帰りの12分

ぎゃあああああ!

本物の東大生だ!!

うわあ、どうしよう。

私、初めて東大生と喋っちゃったよ!!


私が心の中で大パニックを起こしていると、北見先輩はフーッとため息をつきながらお兄さんを横目で見た。

「現役は余裕だよな」


いやいやいや。

東大コースを受講してる北見先輩だって十分すごいですから!


私はショックが大きすぎて、もう何も言えなかった。


北見先輩って、エリートの家系だったんだ。

中卒の大工の娘で、おちこぼれの私なんかとは大違いだよ……


そうこうするうちに電車は大橋駅に着き、北見先輩とお兄さんは連れ立って電車を降りて行った。


振り返って手を振ってくれたお兄さんに、私はまだ呆然としたままペコリと頭を下げた。


なんだか放心状態だった――




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