塾帰りの12分
オクがいぶかしげに顔をゆがめた時、廊下の方が騒がしくなった。
まずい、講師の先生が来たみたい。
「と、とりあえず、外に出よう!」
私は慌てて北見先輩とオク、2人の手をつかみ、力いっぱい引っぱって、塾の外へ逃げ出した。
「おい聡美、どこ行くんだよ」
文句を言うオクを「いいから」とたしなめながら、ひとけのない塾の裏の路地へ。
どうやら、先生は塾の外までは追ってこないみたい。
よかった。
北見先輩はまだ痛そうに顔をゆがめてる。
でもとにかく、今はオクの誤解を解かないと。