five
「そうやって、ずっと笑ってるのって疲れない?本当に楽しい?」
「…別に?楽しいけど?」
俺も笑顔でいる余裕はなくなっていた。
「あたしもついこの前まではそうしていたし、ちゃんと恋愛することも馬鹿らしいと思っていたよ?」
俺は今でもそう思っているよ。
ちゃんと恋愛したって、自分が傷つくだけだし。
だったら一夜限りで別によくないか?
「恋に堕ちるのって理屈じゃないからさ、あんたも恋したらわかるよ。」
そう言って、いつもより優しい笑顔で笑う。
本当に綺麗だと思った。