five
だいぶ離れた所で立ち止まった。
「ありがと。ゴメンね、さっきの女の人ほっといて大丈夫なの?彼女じゃないの?」
「あぁ、大丈夫だよ。彼女じゃないし、今日会ったばっかだし。愛羅ちゃんの方が大事だからぁ!」
俺はいつものスマイルを見せる。
だけど、愛羅ちゃんにいつものスマイルはなかった。
「…あんたもあのチャラ男達と一緒だね。」
愛羅ちゃんは冷たく言った。
「一緒にしないでよ。ってか、愛羅ちゃんいつもと違うね?」
鈴木愛羅と言えば、学校一の美人で、才色兼美、天使みたいなイメージだ。
昨日の大食いはともかく、今日は口は悪いし、態度も最悪だった。
「これが本当のあたしだし。あんた達には見せてもいいと思ってる。」
強い眼差しで愛羅ちゃんは言った。