あなたのメール、代行します。
4通目
 自分の部屋でベッドに寝そべりながら、天井を見つめる。

んー、あの木目、絶対人の顔だよな。ハゲた大仏みたいな人の顔。

あ、俺、また大仏マスターのこと考えてる。はっ、これってもしかして恋?

携帯小説で流行っているらしい、禁断のBLですか? 
……ないな。うん、考えるだけでおぞましい。


 でも、なんでちょっ、ちょちょーいが愛しの芽衣さんと一緒にいたんだろう。

まあ、まだDAIBUTUだと決まったわけじゃないけどさ。

まあまあ距離は離れてたから、ちゃんと見れたわけじゃないし。

だけど、あんな禿げてて、初めて会った人に「あなたの苗字って、もしかして大仏ですか?」って言い当てられそうな人なかなかいないもんな。


 まさかとは思うけど、芽衣さんとブッツン、付き合ってるのか?

そういえば芽衣さん、新入生歓迎コンパのときに書道サークルにきてたんだ。

それだって、付き合ってたから、客寄せに使うために無理矢理連れてきたって考えられる。

やっぱ付き合ってんのかな。女神のような芽衣さんと大仏のような大仏さんが?


 大丈夫。きっと見間違えだ。あの二人が付き合ってるなんて、想像できないもん。

僕にはそんな想像力ないもん。


♪♪♪


 お、メールだ。あ、芽衣さん、あとでメール送るって言ってたな。

てことは芽衣さんからか。確認、確認。
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