夢でもいい
しばらくして落ちつきを取り戻したみちるは、翔太の胸に埋めていた顔をあげた。

「…大丈夫?」

「うん」とうなずき、まだ心配そうにしている翔太の顔を、みちるは両手でペチっと軽く叩いた。

「いてっ!」

みちるは小さく笑うと、怒った顔をしなが言った。

「もう、その顔は禁止!
じゃないと、前みたいに戻れない。
わたしに対して、すまないと思うことなんてないんだからね!」

翔太の表情が少しやわらいだ。
みちるはホッとして話しを続けた。

「そうね、すまないと思うなら、元カノ達とのプリクラはぜーんぶはがしちゃってよね!
わたしだって、そんなに器が広くないんだからさ…。」

翔太は一瞬なんのことが分からない様子だったが、あぁっと思い出すと、ニヤリと笑った。
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