偽りの結婚(番外編)
「じゃぁ、行ってくるわね。」
ノルマン家の大きな正門の前で、一人馬車から降りる。
ここまで送ってくれたラルフに向かってそう言えば…
「あぁ、また午後に迎えに来る。」
ラルフはすぐに王宮へ戻って行った。
午前中は公務があるらしい…
そして、午後は私の誕生日の為に予定を空けてくれている。
旅行に行った時の様に無理はしていないとは思うけど、この日の為に多少の仕事を抱えていた事は言うまでもない。
少し心配だけど……
無理をしていないという本人の言葉を信じるしかない。
ラルフが乗った馬車が見えなくなったところで、ノルマン家の敷地に踏み出した―――
相変わらず、綺麗なお庭だわ。
屋敷への道を歩きながら、綺麗に整備された庭を眺める。
きっと庭師さんが優秀なのね。
綺麗な庭を眺めながら、歩いていれば、すぐに屋敷へ着いた。
そして、屋敷の扉に手をかけようとした時。
キィー……――――
扉は“やっぱり”向こう側から開いた。
「シェイリーン様、お待ちしておりました。」
「こんにちは、ウィリオットさん。」
相変わらずの執事に、挨拶をする。