偽りの結婚(番外編)



「皆はもう、揃っています?」

皆と言っても、たった4人なのだけど…



「はい、皆様おそろいでございます。」

柔らかい笑みを浮かべて、答えるウィリオット。

ご案内します…と言うウィリオットの後について、屋敷内へ入る。

エントランスを抜け、部屋に案内される途中。



ワインレッドの赤い絨毯が敷かれた長い廊下を歩いていると―――


「王宮生活には慣れましたか?」

先を歩くウィリオットが、振り返りながらそう聞く。

普通なら、執事がお客に対して話しかける事はない。

けれど、ウィリオットは特別だった。



「えぇ、王宮の皆が良くしてくれますし、ラルフがいますから。」

そう答えると、優しい微笑みを返してくれるウィリオット。

そして、少し考える素振りを見せた後に…



「本当は、主よりも先にこう言った事を言うのは好ましくないのですが……」


そう言って口を開き―――



「お誕生日おめでとうございます、シェイリーン様。」


「ありがとうございます。」

ウィリオットの口から出た言葉に、少し驚いた後、ふわりと微笑んで応えた。



< 362 / 547 >

この作品をシェア

pagetop