偽りの結婚(番外編)



「僕たちは新婚旅行に行っていないだろう?」

ラルフの問いに、コクコクと頷く。



二度目の結婚だったからか、旅行に行きづらくて。

あの時も公務が忙しかったし、私も妃見習いを本格的に始めたから時間がなくて…

そんなこんなしていたら、いつの間にか旅行は忘れ去られていた。

他国訪問と言う名のプチ旅行がたくさんあったので、気にしていなかったのだけれど。

目の前の夫は違うらしい。




「君と二人きりで、ゆっくり旅行に行きたいと思ってね。」

「私と二人で・・・・二人で・・ッ!?」

ラルフの言葉に、驚くシェイリーン。



「二人きりでなんて大丈夫なの?」

シェイリーンの疑問も最もだった。

これまで、どこへ行くにしろ、侍女や護衛がついてきて。

生活の範囲でも彼らが身の回りにいたから・・・




< 77 / 547 >

この作品をシェア

pagetop