ジキルハイド症候群



「迎え……?」


首を傾けると茉里は僅かに眉を寄せると、玄関に行けば、と目で訴えて来たのであたしは席を立つと玄関に向かう。


「蒼真……?」

「よぅ、恵里」


玄関にいたのは、制服姿の蒼真だった。
蒼真は、一度あたしの家に来ているからここにいるのは不思議なことではない。
問題は、何故今の時間にここにいるのかということである。


「なんで、ここに……?」

「あ?学校だろう?」

「?」

「恵里と一緒に行こうと思ったからな」


だから来たと蒼真は言う。
あたしと一緒に行きたいと言う蒼真に驚く。
問い返せば、彼氏なんだから当たり前だろと言われた。


「ほら、早く準備しろ」


飯食ったかと言われ頷くと、蒼真はじゃあ鞄を持ってこいと言った。


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