この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-
怒られる事に対しては、バカだしミスするからと分かっているけど。
これが小さい時からずっとだから、ソコについては理由を求めたい…。
「でも、中嶋くんは案外…」
「なんですか?」
「まっ、私が言うべきじゃないし。
怒られるウチは幸せだから、頑張って?」
「…利奈さん、」
知り合ってからずっと、怒られ通しの場合も我慢ですか…?
「ほら望未ちゃん、ストールよろしくね」
うーんと思案しつつも、やっぱり色々と上手な彼女から例の忘れ物を手渡される。
「あー…、大丈夫です。
それじゃあ、お先に失礼します!」
「はーい、ご苦労様」
仕事によって忘れていた感情を呼び覚ますソレを受け取れば、素直に会社へと戻るしか無かった…――