昼下がりの当番表
一人、心理的百面相を繰り広げながら会話の糸口を探していると、ふと思い当った。

俺、担任探してたんじゃん!
思うが早く言葉を紡ぐ。

「す、すいません!あの、俺、先生探してて!」
「え?あ、先生?えーと、名前は?」
「あー、えーと、…谷、山?」

あまり自信がないため、疑問形となったもののなんとか会話は成立した。

「谷山、先生なんていたかなぁ…。えぇと、君、」
「あ、如月っす!如月瑞貴。」
「如月君、何組?」

さりげなく、名前を告げたことに内心満足しつつ、少年――瑞貴は片手でピースサインを見せた。

「2組っす。」
「…2組、ね。ちょっと待ってて。」
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