昼下がりの当番表
重い扉は、驚いたように音を立てる。
それは、開けた本人、さらには完全に油断をして作業をしていた図書委員、すなわち、ひばりをも飛び上がらせるほど大きな音だった。

目を見開いて入口に視線を向けたひばりと、かちり。
目があった少年が直立不動に固まったのは言うまでもない。



整理に没頭していたため、脳みそが追い付かない。
ひばりは直立不動に硬直してしまった少年をただ見つめることしかできなかった。
脳みそだけ、勝手に観察を始める。

明るすぎず、かといって黒とは言えない頭髪はしっかりセットされている。
適度に腰に落とした黒いズボン。
真新しさを感じる学ランの襟についた校章は青。

青ということはつまり、一年生ね。
それにしても、本を借りにきたわけではなさそうだし。


意外と冷静な観察を終え、首を傾げるひばり。
一方、少年の方はと言えば冷静どころではなかった。

やっべ、俺、いきなり入って。
うわ、首かしげるとか、まじかわいい!
校章が赤ってことは、えーと2年生?
って、そうじゃなくて!!

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