双子☆Love
「……ふぅん。そっか。」



美鈴は俺の決意を聞き、少し考え込むようにして黙ってしまった。


「……何だよ。」


その不気味な静寂さに耐えきれず、俺は自分から声をかけた。



「私、佑樹と付き合ってた時。自分が佑樹の特別なんだって思ってた。」


「分かってる。」



「今もそう思ってる。だから、佑樹に個人的に近づこうとかしてる女の子に嫌がらせとかしてた。」



「……知ってる。俺が自分のものにならないのなら、俺をみんなのものにしとこうって?」



「……そうかもしれない。」


美鈴はそう言って力なく笑った。



「見たくなかったの。私より佑樹の特別になる人も、佑樹の特別じゃなくなっていく私も。」



美鈴は、少しだけ涙目になりながら言った。



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