傷だらけのラブレター
本当、意味わからない。
だって、私たちのこと見向きもせず、通り過ぎたんじゃなかったの?
さっき、私たちのことを、見て見ぬフリしたくせに。
…本当、意味わからないよ。
だけど、凄く嬉しい。
「……。」
直也は私の質問には答えず、無言で私を立ち上がらせる。
そして、手を掴んだと思ったら。
そのまま私の手を引いて、浅野目くんから避けるように歩き出した。
――――――――…
―――――――…
――――――…