傷だらけのラブレター




「……いくぞ。」





…あぁ、この声。



やはり、私を引っ張ったのは、彼だったんだ。




前とは違って、決して優しさが含まれる言い方じゃなかったけど。



それでも、彼の声だったら、私はいつでも判断することができる。




どんなに素っ気なく冷たい色をしていても、その声を聞いた途端、やっぱり好きだと思い直すの。





『なんで……?』




恐る恐る振り向いた先には、やっぱり大好きな直也がいて。



目の前に直也がいることに、なんだか泣きたくなる。




< 153 / 459 >

この作品をシェア

pagetop