傷だらけのラブレター
「……いくぞ。」
…あぁ、この声。
やはり、私を引っ張ったのは、彼だったんだ。
前とは違って、決して優しさが含まれる言い方じゃなかったけど。
それでも、彼の声だったら、私はいつでも判断することができる。
どんなに素っ気なく冷たい色をしていても、その声を聞いた途端、やっぱり好きだと思い直すの。
『なんで……?』
恐る恐る振り向いた先には、やっぱり大好きな直也がいて。
目の前に直也がいることに、なんだか泣きたくなる。