初恋少年・少女
帰り道。
黙っていた私に望は聞いた。
「他に、嫌なことされなかった?」
「…………軽くキス、された。」
私がそういうと、望は黙り込んでしまった。
家について、私が望の自転車から降りると、望は言った。
「ムカつく。春花に簡単に触るなんて。俺ともキスまでしかしたことないのに…」
「望…。」
「…好きとか言ってんのに春花を泣かせるのも、ムカつく。」
そういうと、力いっぱい私を抱きしめてくれた。
それから、スゴク優しいキスをしてくれた。
「…これで、消毒出来たかな…?」
「…うん。出来たよ。充分すぎるくらい」
「……そか。んじゃ、また明日な。」