猫を拾いました。
うん、と大きく頷いて、先程言おうとしたであろう言葉の続きを言った。

「お腹すいた」

少しでもドキドキした自分が恥ずかしい。
私はネコを押しのけて、体を起こした。

でも、仕方ないか。
公園の、ましてや段ボール箱の中に、食べ物がある訳じゃないし。
もしかしたら、ずっと空腹で?

「何か作るね。食べられないものとかある?」
犬は確か、タマネギを食べたら死んじゃうんだっけ。
猫は、何かあったかな。

まあ、ネコは一応人間だけど。

「特にないよ。……美味しいものなら」


……今、さりげなくハードルあげなかった?

私は立ち上がって、肩にかけていた毛布をネコに投げ、台所に向かった。
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