猫を拾いました。
気づいたのは、自宅の前。
ドアを開けようとポケットを探ったら、鍵が無かった。

来た道を探してみたけど、見つからない。
交番にも行ったけど、無かった。

歩き疲れたから、どこかに座ろうと思って……公園に来た。


暗い静かな公園に、白い吐息が溶けていく。


その闇の中に、私はある小さな光を見つけた。

反対側の、ベンチのすぐ横。
一瞬、何かがキラッと光ったのだ。

――何か、あるのかな。

私は立ち上がり、そこに向かって足を進めた。

よく見えないけどあれは……ダンボール箱?
けっこう大きめの。
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