夕陽
「げほっ!げほがほっ
なんでそう島原に行こうとするんですか?
まぁ、奢りなら別ですけど。」

口元を噴きながら沖田は言う。

「え、島原いくのに奢って貰うほど
お金かかるの?
そんなんだったらいかなきゃいいじゃん」

「ばぁか。
智咲はまだまだ子供だなぁ?
島原の良さを分からないなんて。
女子はいいぞ、女子の酌する酒は
格別だ。
さ、今日は土方さんの奢りで
出発だ。
前行ったところに行くらしいぞ。
門の前で皆待ってるぞ。」


「「はぁい」」

そういって原田は門のところまで
歩いて行った。

「さ、智咲さん。
準備しましょうか。」

ふぅ、と沖田が溜息をつきながら。
先ほど飲んでいたお茶を飲み始める。

「・・・。
総司さん。総司さんって、
島原に好きな女子いるの?」

「ぶっ!!」

そういってまた沖田はお茶を噴く。

「がはっ!
なんでそんなん聞くんですか?」

「え、だって総司さん、島原行くの
快く承諾したもん。」

「こほん。
別にそういうわけじゃないですよ。」

「そ、そっかぁ!
!!!
また私、お雪になって土方さん
騙してやろ。」

「あはは。
程々にしておいたほうが、
身のためですよ。」

笑いながら沖田は言った。

「うん。
準備したから、いこぉ!
皆待ってる!」

「そうですね。」

そういって沖田と智咲は門の前に向かった。
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