夕陽
スー。

智咲は襖をあける。

「総司さん。
もぉ疲れたんで、帰りましょうー」

「えー。もぉですか。
いいですよ。」


そういって沖田の手をひき、

「土方さぁん!
さき屯所もどってますねぇー。」

「はいはい。」

そういって島原をでた。

「総司さぁん。
いい女子に、出会ったぁ?」

「うーん。
出会いましたよ。」

沖田は夜空の綺麗な空を見る。
智咲は胸がチクンと痛くなるのを感じた。

「へ、へぇ・・・。
誰ですか?」

「まだ、それはいえません」

そういうと沖田は微笑む。

「そっかぁー。
綺麗な人じゃないと、許さないからね。」

「あはは。
とっても綺麗ですよ。」

沖田は嬉しそうに笑う。

「そうなんだぁ。
じゃあ総司さんと一緒に友達としてでも
甘味処、いけなくなっちゃうかもね。」

智咲は悲しくなるのを抑えながら
言う。

なんでこんなに胸が痛いんだろ・・・。

「大丈夫ですよ。
誰がなんと言おうが一緒にいつまでも
甘味処行きましょうね。」

「うん。
総司さんの恋、成就するといいねっ!」

「ですよねー。
まだまだ成就しそうにありませんけど・・・。」

沖田は悲しそうに笑う。

でもそれを聞いたら、少しだけ嬉しくなった。
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