夕陽

智咲はうっと唸り、それでも続ける。


「でもってさ、藤堂さんとかも混ぜて!
お酒を酌すんの!もちろん、あたしからも
総司さんにもお酌、するからさぁ?
サービスするよ?」

肘で沖田をつつく。


「いーやです。どんなに言われても絶対にやりません。
平助でも連れてやっててください。
私はお酌する側じゃなくって
される側のほうがすきなんですよ。」

そういって沖田は頑張ってくださいね、と
言葉を残して去っていた。


「うー。薄情者めー。
いいや!こうなったら藤堂さんを
無理やり巻き込もう!」

急いで智咲は前残しておいた猫耳、
猫の尻尾、(赤リボン&鈴付)と、太ももまである白くて長い靴下と、なんかコスプレみたいな着物を着て、藤堂のもとへむかう。


スーっ!

「失礼しまーす♪
藤堂さっん!一緒に遊びましょ?」

そういって無断で藤堂の部屋へ入る。

そこには原田と永倉と藤堂の3人がいて、
花札をやっていた。

「ちょ?!智咲、おめ!なんだその服は!
足を出しすぎちゃいねぇか?!」

原田は少しなぜか嬉しそうに言っている。
でも動揺を隠しきれていない。

「智咲よぉー?そんな格好してたら男所帯のここじゃ
すぐに食べられちまうぜ?」

永倉もニヤニヤと笑っている。

藤堂は智咲を見つめたまま呆気に取られている。


「そんなことないもんね!
それより藤堂さんっ!お借りしますねー?」

「ん?いいぞつれてけ」

原田は即答した


「えええ?!即答?!っていうか僕が決めていいんだよね!?
そこ?!まぁいいけどさ・・・?
というより前も言ったとおり平助でいいよ。」

原田に即答され、ちょっとイジケ気味で言う。

「んじゃあ平助っ!ちょっと来て?」

にこっと智咲は笑う。
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