夕陽
「うぅぅぅ、
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

「いい加減うるさくなってきたな。」

おきたは苦笑いしながら、
「精神安定剤飲ませたらどうでしょう?」

と提案した。

「それもいいな。
総司、水もってこい。
あとその薬も。」

「わかりました。」

沖田が水を取りに部屋からでる。

土方は智咲のほうを見る。
「ごめんなさい、お母さん!
私、ちゃんとした子になるよ!
お母さんの望む、女の子になる…」

そうつぶやいていた。

「女・・?
まさか、お前、女じゃないだろうな。」

土方は智咲に疑問を突きつけるが、
智咲はまだ体育座りに顔をうずくめたまんま
つぶやく以外、何も反応を示さない。

「意識がないのか…?」

指先で智咲の肩に触れてみる。


ビクッ


「ひ、ひぃぃっ
や、ややめてっ!!!」


「怖がるだけ…か。」


「失礼します。」

沖田が部屋に入る。


「土方さん、水持ってきました。
あとそれらしき薬も。」

そういって沖田は薬と水を差し出す。

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