夕陽





「・・・。覚えてないから教えてほしいのッ!アンタしか生きてないんだよ!」


思い切りにらみ付ける。心の中は罪悪感でいっぱいだった。



「ッヒィ!話します!話します!!!話しますからァ!!」


目に涙をいっぱいためて、男は話し出した。







・・・・・・・・・・・・・・



「土方さーん。総司さーん。いらっしゃいますか?」

そーっとさっきまでいた部屋に戻る。


「おお。いるぞ」

近藤さんの声。どうやら近藤さんもいるようだ。
部屋に入る。近藤さんと左之と平助と斉藤さんと総司さんと土方さんと山南さんと新八がいた。うおお結構いるな。
近藤さんがあいている座布団を指差して、座りなさいという。少しお辞儀をして座る。


「・・・お話、聞かせてもらってきました。」

座った後に事情を説明した。浪士に聞かせてもらった惨劇を、一言一句もらさずに。


「・・・そうか。今は智咲君のことについて話していたんだ。智咲君。君は死んだら元にもどるというのだが今はそうする気はあるか?」


近藤さんは少し話しづらそうに言った。


・・・元に戻る、か。たくさんの人を殺しておいて、そのまんまに元の日常に戻るって言うのもなぁ。
・・・決めた。


「・・・私は、もうあんなことがおきないように、戒めのために、右目はそのままなくなったまんまにしておこうと思います。肩の傷は治るでしょうけど・・。」


「・・・でも智咲君。君がそんなに責任を感じることじゃ」

「でもいいんです。私がやったことですから。」


近藤さんの配慮を押し切って自分の意見を通す。

< 291 / 462 >

この作品をシェア

pagetop