夕陽


・・・・・・・・・・・・・



「で?お前が襲撃した長州の生き残りが1人重症のやついるから話聞いて来い。」

「ふぁい。てか襲撃じゃないからね。反撃だからね。」

「反撃のほうがなんか動物的ですねー。智咲さんに似て。」

「どういう意味?!」


「ホラ、いってこい」


土方がドン、と智咲を立たせて背中を押す。


「ええええ?!ちょっと?!ちょっと!」


どんどん蔵のほうへと背中を押して歩いていく。


「ちょ?!重症じゃないんですか!?なんで蔵いれてんだちゃんとした治療してやれよ?!」

「ほいほい。」


「うがっ!」


ほいっと蔵に押しこむ。


「・・・。鬼ィ・・。まぁいいや。重症の人ー」


「・・・ッひっ!!」


「・・・。いたァ。」


簡単に反応してくれたのでその方向へいく。浪士の姿は見るにも無残だった。両手は千切れて肩から下がなく、男の周りには血だまりが出来ていた。


「・・・あのさ。私が酷いことした記憶、ないんだよね。覚えてる?覚えてたら教えてくれないかな。」


ゆっくりとあまり刺激しないように話す。


「な゛・・・ッあの光景を覚えてないのか?!お前は・・・ッあれだけ多くの仲間を殺して・・・ッ」


男が叫ぶ。肩に力を入れているためか、ちぎれた断面からどばっと血が吹き出ている。


「あー。叫ばないでッ!!傷が!」


手当てをしようと近寄る。しかしそうとうのトラウマがあるのか、近寄ると恐怖の顔を浮かべる。

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