夕陽



顔は離れたものの、まだ僕に跨っているわけで。


「えへへへへっ!えっとね!私が身請けした子だよぉ!可愛いんだぁ!」



嬉しそうに笑う。一瞬ドキッとしたのは、多分気のせいだと思う。



「へぇ。じゃあ朝餉食べたいし着替えたいからそこ退こうか。」



「ふぅん?興味ないんだ?!いいもん後から後悔するからねぇ?」



平助のチビ!といい逃げして部屋を出て行った。


……そっちもチビでしょうが。



着替えて髪を結って広間へ向かう。




「おぅ、平助ぇぇぇ!!やっと起きたか!」


広間では、左之と新ぱっつぁんが先に朝餉を食べていて。
当然、僕の分も…



「また食べてるぅぅぅぅ!!」



空っぽのおかずを前にして、空腹を耐えた。



ぐぅぅぅぅ。



絶対に稽古終わったらどこか食べにいこう。



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