夕陽



「大変だね~?がんばれ智咲!」


「そうだぞ!今のいやらしい声、そそるぞ!」


平助と左之は裏庭の廊下で練習を見物。しんぱっちーは見回りらしい。


「うるせぇぇぇ!いやらしい声なんかだしてないし!」


ドスッ


クナイが左之の顔のすぐ横に刺さる。左之の頬には赤い筋。あ、血出てきた。


「すごい今の見てた?投げたら刺さった!イエスウィーキャン!」


「智咲ここに原田の似顔絵あるで?ここの眉間に向かって投げるんや!」


山崎がさっき書いた似顔絵を木に貼り付ける。ていうかすんごい似てる。


「了解!」


ドスッドスドス!


「命中!」


「なんで俺?!しかも眉間以外に目も死んでるぅぅぅ!」


「左之どんまい!」


「流石智咲や!わいが見込んだだけある!」

「でしょ?」



山崎に頭をなでてもらう。ふん、いい気分。



「んじゃあ人間の急所のとこも狙うで?」


そういって刺さっているクナイを抜いて、紙を張り替える。全身が写っている。


「なんでまた俺?!しかも上半身裸だし!」


「さ、思いっきり急所やと思うところを投げるんや!」


「イエッサー!!」


ドスドスドスドスドス!


脳天、眉間、喉、心臓、股間。



左之が股間を押さえて震えている。



「いい線いっとるで!」


「えへへー!!」





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