fushin
無言のまま歩き始めた。
何をされても何を言われても、どうでもいい・・・
自分自身が何をどうしたら変われるかも分からないのに、どうしたら?
その前に本当に変わろうと俺は思っているのか?
優が言いたいことも嫌って程分かってはいるが気持ちが動かないものはどうしようもない。
気がつけば学校が目の前、無言のままになっていたと思ったら少し気まずいな・・・

「珍しく竜也がはえーから、じじー共驚くんじゃねーの?!」

何もなかったような顔をしながら話してきた優に少し救われた気がした。
こいつがいて良かった。

「そんな事ねーだろ、逆にくんなって言われる。」

「そうかもな!」

「あ!!やべー今日検査やってんじゃん!!」

優の声で目をやったら校門に何人かのじじーの姿が見えた。

「あーまじか、多分入れてもらえねーな・・・」

「俺はいけるかも知れないけど竜也は完全無理だな。早起きなんて珍しい事してるからじゃね?」

「は?」

「冗談だし。」

「てか優も無理だろ金髪無理。」

「じゃ、どっか行くか?」

「だな。」

二人で学校に背を向けて登校してる奴に逆らうように歩き始めた。
周りの視線を強く感じる。
だから登校時間に間に合うのが嫌なんだよ。

「あ~あいつだよ、彼女殺したって奴。」

耳に入ったその言葉のする方に目をやった。
と同時に横にいた優が俺の目の前を過ぎた。

「てめぇか!!今言ったのは!!」








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