色は聴こえないけれど
描く。
美しい肌と影のコントラスト。今まで見たことなかったが全面的に淡い彼女の躯。

デッサンの上から色を加え、忠実に再現していく。

「お嬢」

「なんだい?」

「もう少し毛布を上げてくれ」

「だから少年には――」
「膝下を描きたいだけだ!」


なんだそれなら、と毛布をすべて取り払い、椅子下へ落とした。


「これなら煩わしさもないだろう?」

「お嬢。頼むから五秒前の自分の発言を思い出してくれ」


露わになった彼女の脚。

余計なものなどない美しい肌が見え、無論腰回りも……。


「少年の事を信じてるさ」

「そういう問題では……」


いろいろまずい気が……。

何故か微笑む彼女。

とりあえず描き込んでおこう。

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