サヨナラのその日までそばにいさせて。



「その変わり、太陽くんはここに残ったらダメですか…?」


「交換条件のつもり?」


"別れる"って言葉を聞いて安心したのか、おばさんは冷静になり始めた。



「そういう訳じゃないです。でも太陽くんがここにいたいなら叶えてあげたいんです。私といて無茶するなら、幼なじみに戻ります。私はただ、太陽くんが生きたいって思えるように協力したいんです」



あの時、病院で言ったおじさんの言葉が頭の中で繰り返される。



"笑顔が増えたからだよ"




その言葉の中に少しでも、私がアキを笑顔に出来たんだ…、って含まれているって信じたい…。



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