サヨナラのその日までそばにいさせて。



「なぁ、太陽」


「なに?」


病室で暇そうに雑誌に目を通すアキに問い掛ける。



「両親との約束どうなった?」


「…守らへんよ。母さんを悲しませるのは分かってるけど、咲希と離れたないし」


「そっか…」


真剣な表情で言う太陽に、胸が苦しくなる。



「それより咲希は?テスト期間終わったやろ?」


「…来るよ」


「いつ!?」


パァッと目を輝かせ、俺の方に視線を向けた。



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