サヨナラのその日までそばにいさせて。



『空良から全部聞いた』


………。



『…咲希、ごめんな。いつも泣かせてばっかりで。幸せにしてあげれんくて、ごめん…。今までありがとうな。咲希と一緒に過ごせて幸せやった』


じわっと溢れ出す涙は頬を伝って、『…じゃあな、咲希』と最後に告げた、握り締めた携帯電話の画面を濡らした。




あの後、急いでアキの部屋に向かったけど、既にもぬけの殻だった。


その日に皆で撮った写真も全て消されていた。




アキは何も残さず黙って姿を消した―…



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