サヨナラのその日までそばにいさせて。



「そうだね」


「高峰くんは本当に立石くんの居場所知らないの?」


「さぁ…?空良のことだから知ってると思うよ?」


「だったら居場所聞いて会いに行きなよ!」


そう力強く言う未来ちゃんに、力無い微笑みを返した。



アキが姿を消してから、私達はアキの話題をしなくなった。


空良はどう思ってるか分からないけど、私は黙って姿を消したアキの居場所や状況を聞くのが怖かった。




アキの余命が一年ないって言われたのは、転校してくる二ヶ月前。



空良が何も言ってこないから、アキは大丈夫なんだと自分に言い聞かせて、この二ヶ月間、アキのことを何も聞かずに過ごしてきた。



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