サヨナラのその日までそばにいさせて。



「アキ!太陽!」


家に帰り本を読みながら寛いでいると、俺の名前を叫ぶ空良の声が響いてきた。



「聞こえてるっちゅうねん!」


叫ぶように部屋に入ってくる空良に耳を塞いで返事をする。



「お前、体育祭の準備ぐらいして帰れ!」


「…なんで?」


「参加出来なくても準備はしてもいいだろ」


溜め息をつきながら座布団に腰をおろす。



「…山本に何か言われたんか?」


「……誰だよ、山本って」


「ちゃうわ。山口…ん?関本…関山?」


「誰のことだよ…」


意味分かんねぇというような表情を浮かべる空良。



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