ご主人様はお医者様
外に出ると、ストンと私を下ろした。
ビックリしたけど……、
助かった――!!
「あっあの〜、ありがとうございます」
私は高木先生に向かってペコリと頭を下げる。
そんな私の肩へ先生は何も言わずに上着を掛けた。
「帰るぞ」
「えっ?でも仕事……」
「あそこに戻るつもりか?」
高木先生は眉間にしわを寄せる。
「いや、でも、お給料が……」
私の言葉に高木先生は口調を強める。
「病院クビになりたくなかったら、早く荷物持って来い!!」
「は、はいっ」
私は一目散に店に戻った。
着替えて荷物を持って……心配して様子を見に来てくれたマネージャーに、
「あの……急におなかが痛くなりまして」と嘘をついた。