ご主人様はお医者様




「僕にしない――?」




――僕にしない


そんなこと森先生に言われたら、大抵の女の子は喜んで頷くんだろうな。


でも、傍にいたと思うのは森先生じゃない。


違う――…。




私は何も言わずに首を横に振った。


それをみて森先生はそっと手を離して立ち上がる。




「そう、でもまあ気長に待つよ。僕は結構一途なんだよ」




森先生は後ろを向いたまま手を振り、そのまま歩いて行ってしまった。



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