ご主人様はお医者様



じゃあ、何を迷っているの?


あんなかわいい子と婚約できて、しかも将来を約束されるって言うのに……。




「高木先生が何を迷っていのか知りたい?」



「えっ――」



「そういう顔してた。
もちろん君を取るか、出世の為にさくらを取るかってとこでしょ!?」




「私を取るか――?本当にそんなこと思っているんでしょうか」



「ま、真実は高木先生しか知らないけど……本当に贅沢な悩みだよね。
僕なら君をちゃんと愛してあげられるのに」




森先生はフンワリと微笑みながらそういった。


そっと手が重なり、真剣な瞳が私を覗き込む。




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