ご主人様はお医者様
高級お肉に舌鼓・・・のはずが、
やっぱり今日はダメだ、私。
いつもなら、ビール片手におおはしゃぎなんだけど……。
ボンヤリとお肉を焼きながら、荒木先生と香澄の話を上の空で聞いていた。
「……でさ、この前の学会で聞いてきたんだ」
「へーっ!?その噂本当だったんだぁ」
「そういえば、遅せえな」
腕時計をチラチラと見ながら荒木先生は言った。
「なに?誰か来るの?」
香澄は不思議そうにそう聞く。
もう1人ここに来るの?
「あの、誰か来るんですか?」
私が訪ねると、荒木先生はグラスに残ったビールを飲み干しながら吐き捨てるように言った。
「ああ、せっかく呼んでやったのに。仕事バカめ!!」
――「誰が仕事バカだって!?」
私の背後から荒木先生の言葉に答えたのは――!?
「おっ、やっと来たな高木!!」
うそ!!!!
高木先生――!?