ご主人様はお医者様
以前の私なら泣きながら逃げ出してた。
『彬のため』とか言っちゃって・・・
でも、今は違う。
私は立ち向かう。
どちらを選ぶかは――彬が決めること。
「私……別れません!私は彬が好きだから」
平賀先生は、私の答えにバカにしたようにクスリと笑う。
――『そう、いつまでそういっていられるかしらね?私には……』
何かを言いかけた時、電話の向こう側で先生を呼ぶ声がする。
――『救急車が到着したみたいなの、仕方ないわ。この続きは明日』
一方的にそういって平賀先生は電話を切ってしまった。