逢いたい夜は、涙星に君を想うから。


――次の日。



咲下は朝から学校を休んでいた。



昨日は元気そうだったけど、また具合でも悪くなったのかもしれない。



俺は学校の帰りに、咲下の家に寄って様子を見に行こうと思っていた。



帰りのHRの時間になり、担任が教室に入ってくる。



「みんな、静かに」



担任の表情がいつになく真剣で、クラスメートたちは一瞬で黙り込んだ。



「みんなに報告しなきゃいけないことがある。咲下が転校することになった」



え……?



俺は一瞬、頭の中が真っ白になる。



咲下が……転校……?



「実はな、咲下が学校に来るのは昨日が最後だった」



昨日が最後……?



「クラスのみんなには今日まで黙っていて欲しいと咲下に頼まれていたんだ。驚かせてしまって、すまんな」



クラスメートたちのざわつく声。



俺は動揺して、何が起こっているのかわからなかった。



「昨日の休み時間に咲下から手紙を預かった。みんなに挨拶して別れるのは、つらいからと言ってな……」



こんなの、うそだろ……?



咲下が転校なんて……こんな急に……。



だって昨日……俺、言ったじゃん。



“また明日”って。



咲下に言ったじゃん……。



俺はやっと気づく。



いつもより咲下が楽しそうに笑ってたのも。



“バイバイ”って言った寂しげな笑顔も。



咲下の行動すべてがひとつの理由に繋がってく。



彼女は、これが最後だとわかってたんだ。
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