逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
咲下をアパートの下まで送った。
「焼き芋すっごくおいしかった。送ってくれてありがと」
「また今度食べよーな」
俺の言葉に咲下はニコッと笑った。
「気をつけて帰ってね」
「うん、じゃーまた明日、学校でな」
「……バイバイ」
そう言って咲下は、右手を少し上げて俺に手を振る。
俺は咲下に手を振って、自転車で走り出した。
“バイバイ”
そう言った咲下のどこか寂しげに微笑んだ顔が、一瞬……気になったのに。
それなのに俺は、
黒板のラクガキで楽しそうに笑う咲下の顔や
焼き芋を食べておいしいねって微笑む咲下のことを思い出して、
バカみたいにひとりで喜んでた。
また明日、学校で会える。
明日のキミは、また今日のように笑ってくれるだろうか。
俺に笑顔を見せてくれるだろうか。
また明日。
あたりまえのように。
その言葉を口にした。
キミに会えると思って疑わなかった。
また明日。
そう言える日々が、どれだけ幸せだったか。
俺はまだ気づかない――。