逢いたい夜は、涙星に君を想うから。


俺は咲下からの手紙を握りしめたまま、その場に立ちつくす。



「……なんでだよ」



俺は下駄箱にもたれかかり、目を閉じる。



涙が頬を伝ってく。



「なんで……最後なんて言うんだよ……」



手紙をグシャッと強く握りしめた。



昨日が最後だってわかってたから。



だから咲下は



俺に笑顔を見せたの……?



別れのとき、咲下は絶対に泣かないんだな。



お母さんのときも。



昨日、俺に手を振ったときも。



絶対に泣かないのな。



「……それ、咲下からの手紙か?」



目を開けると、くぼっちがそこに立っていた。



俺は視線を逸らして、小さく頷く。



「教室から飛び出してったくせに、こんなとこで何やってんだよ?」



くぼっちは俺の肩を強く掴んで言った。



「このままでいいのかよ!咲下、行っちゃうんだぞ?会わなくてホントに……」



「よくねーよ!でも、もう手遅れなんだよっ」



もう行っちゃったんだよ。



咲下は、もういないんだよ。



どうにも……できないじゃん……。



「俺だって、出来ることなら……最後にもう一度会いたいよ!」



くぼっちは俺の肩から手を離した。



「バーカ」
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