逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
――ガタンゴトン、ガタンゴトン……。
スピードを落とした電車が、駅のホームへと入ってくる。
咲下……ここじゃないのか?
それとも、もう行っちゃったのか……?
この街から……去ってしまったのか……?
電車がゆっくりと止まり、電車のドアが一斉に開く。
たくさんの人たちが電車内から降りてきて、ホームには人が溢れていた。
降りる人がいなくなると、今度はホームに並んでいた人たちが次々と電車内に乗り込んでいく。
俺はちょうど、ホームの真ん中あたりに立っていた。
ホームの端から端を、首を左右に何度も振って見る。
その時、
「……咲下?」
電車の後方、ホームの端に近いドア付近に並んでいる女の子。
うつむいていて、顔はハッキリとは見えないけど、
咲下らしき女の子が大きなカバンを持って立っている。
「咲下……っ!」
人混みの中で大声で叫んでも、遠く離れた場所にいる彼女には届かなかった。
「すいません、通ります」
俺は人混みをかきわけて、必死に咲下の元へと走っていく。