逢いたい夜は、涙星に君を想うから。


駅の改札の前で自転車を乗り捨てて、俺は駅のホームへと向かう。



「ハァ、ハァ……ッ」



息を切らして、駅のホームに立った。



たくさんの人がホームで次の電車が来るのを待っていた。



「ハァ……ハァッ……すいません、どいてくださいっ……」



人混みをかきわけて、咲下の姿を探す。



きっと見つける。



きっと探してみせる。



咲下……。



会いたい。



咲下にもう一度、会いたい。



このままサヨナラなんて、俺……やだよ。



行くなよ……。



本当はどこにもいってほしくない。



咲下の泣き顔も。



咲下の笑顔も。



どんな顔も。



そばで見ていたい。



咲下のぜんぶ、抱きしめたい……。



“まもなく3番線に電車がまいります。白線の内側に下がってお待ちください……”



駅のホームにアナウンスが流れる。



人が多くて、思うように動けない。



咲下の姿も、どこにも見当たらない。



ここにも、いないのか……?
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