逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
強く強く、咲下を抱きしめる。
見つけた……。
やっと見つけた。
胸が締め付けられて、涙が溢れてくる。
咲下……。
どこにも行かないで……。
そばにいたい。
この腕を離したくない。
ぎゅうっと強く咲下を抱きしめる。
「橘くん……」
俺の腕の中で、小さな声が聞こえた。
「手紙……読んでくれた……?」
「ん……なんで最後なんて言うんだよ?」
俺は彼女を抱きしめたまま、目を閉じる。
このまま時間が止まればいいのに。
心の底から願った……。
「だって……これが最後だから……」
そう言って彼女は、俺の体を離した。
その時、発車のベルの音が鳴り響く。
彼女は俺に笑顔を見せた。
けど、その真っ直ぐな瞳は潤んでいて。
涙が浮かんでいた。
振り返って電車に乗ろうとする咲下の右手を、後ろから俺は掴んだ。
俺は……最後にしたくない。
これが最後なんて……嫌だ。